わが国の食料自給率は生産額ベースで66%、カロリーベースで37%(平成30年度)となっています。つまり、私たちが食べる食品の多くを外国からの輸入食材に頼っているわけです。ところが、スーパーなどの生鮮食品には外国産の表示が少なく、その多くが加工食品や外食産業で使われていると考えられます。つまり、私たちが食品を選ぶ際に、加工食品や外食メニューの材料における原産地表示が重要となってくるわけです。そこで、加工食品や外食産業のウエブサイトにおける原産地表示をジャンル別に調べ、表示の有り無し、その詳細さ、見やすさ、国産食材比率などをポイントに分析し、個人的に評価をしてみました。
評価は
☆:何らかの原産地表示があるもの
☆☆:原産地表示が一覧でまとめられているもの
☆☆☆:原産地表示が一覧でまとめられており、より詳細で見やすいもの
☆☆☆☆:☆☆☆に加えて国産食材を中心にしているもの
☆☆☆☆☆:ほぼすべてが国産食材であるもの
としています。
■総評
これまで牛丼チェーン、レトルトカレー、立ち食いそば、弁当チェーンなどの原産地表示について調べ、ウエブサイト上に原産地を公表している企業が意外に少ないことに驚かされたが、ハンバーガーチェーンに関しては、調べた範囲においてすべての企業が詳細に原産地情報を表示していた。ここでは主要商品の原産地情報を転載するとともに、表示内容について評価してみたい。
■ケンタッキーフライドチキン ☆☆☆☆
調査開始以来初の星4つ。これは主要商品の鶏肉が国産であるという理由からだ。ケンタッキーフライドチキンはハンバーガーチェーンではないのでは、という疑問を抱かれる人もいるだろうが、ハンバーガーチェーンランキングにはほぼ必ず登場する。表示は「商品名」「主な食材」「最終加工地」「主な原材料」「主な原材料の原産地」という項目に分けて書かれているが、ここでは主力商品の「主な原材料」「主な原材料の原産地」についてのみ転載する。詳しくは下記アドレスで確認していただきたい。
〈オリジナルチキン他フライドチキン〉
●鶏肉:日本
〈ナゲット〉
●鶏肉:日本
〈チキンフィレサンド〉
●チキンフィレ(鶏肉):日本
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ
●レタス:日本
〈和風チキンカツサンド〉
●チキンカツ(鶏肉):日本
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ
●千切りキャベツ:日本
〈フライドポテト〉
●じゃがいも:アメリカ
(以下省略)
(2020年2月7日現在)
https://prd-kfc.s3.amazonaws.com/pdf/native/20191001.pdf
■ロッテリア ☆☆☆
野菜・卵・ソース類はほぼ国産。中国産食材は使用していないようだ。「商品名」「原材料」「原料」「原産地」という項目に分けて商品群別に表示されており、「最終加工地」については表示されていない。ここでは主な商品群の「原料」「原産地」を転載する。
〈ロッテリアハンバーガー・ロッテリアチーズバーガー・ロッテリアダブルチーズバーガー・ロッテリアトリプルチーズバーガー〉
●バンズ(小麦粉):カナダ・アメリカ
●パティ(牛肉):オーストラリア・他
●スライスチーズ:オセアニア、欧州、日本
●ケチャップ:日本
●ディジョンマスタードソース:フランス
●ピクルス(きゅうり):スリランカ
●オニオン:エジプト
〈てりやきバーガー・ダブルてりやきバーガー・半熟タマてりバーガー〉
●バンズ(小麦粉):カナダ・アメリカ
●パティ(牛肉):オーストラリア・他
●てりやきソース:日本
●マヨネーズ:日本
●オニオン:エジプト
●ディジョンマスタードソース:フランス
●レタス:日本
●卵:日本
〈ソイ野菜ハンバーガー〉
●バンズ(小麦粉):カナダ・アメリカ
●ノンコレステロールマヨネーズ:日本
●ケチャップ:日本
●レタス:日本
●トマト:日本
●たまねぎ:日本・アメリカ
●ソイパティ(大豆):日本
〈フレンチフライポテト〉
●じゃがいも:アメリカ
(以下省略)
(2020年2月7日現在)
■フレッシュネスバーガー ☆☆☆
野菜類はほとんどが国産。中国産の食材は使用されていないようだ。最初に「生野菜」と「低糖質バンズ」の原産地が記され、続いて商品ごとの「原材料名」「原産地」が書かれている。ここでは主な商品の「原材料名」「原産地」を転載する。
〈フレッシュネスバーガー〉
●パンプキンバンズ(小麦粉:アメリカ・カナダ、かぼちゃ:国産・北海道)
●ビーフパティ(牛肉):オーストラリア
●生野菜(トマト・たまねぎ):国産
〈テリヤキバーガー〉
●パンプキンバンズ(小麦粉:アメリカ・カナダ、かぼちゃ:国産・北海道)
●ビーフパティ(牛肉):オーストラリア
●生野菜(レタス):国産
〈テリヤキチキンバーガー〉
●パンプキンバンズ(小麦粉:アメリカ・カナダ、かぼちゃ:国産・北海道)
●テリヤキチキン(鶏肉):タイ
●生野菜(たまねぎ・レタス):国産
〈フィッシュバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ
●白身魚:ニュージーランド沖・ノルウェー
●生野菜(グリーンカール):国産
〈フライドポテト〉
●じゃがいも:国産(北海道)
(以下省略)
(2019年10月4日現在)
■モスバーガー ☆☆☆
野菜やソース類はほぼ国産。「とびきりサンドシリーズ」は、バンズ以外すべて国産。一部の鶏肉、ソイパティ、野菜等に中国産を使用。「商品名」「主な原材料」「加工食品の最終加工国」「主要原料」「原産地」とわかりやすく表示されているが、ここでは主な商品の「主要原料」「原産地」のみ転載する。
〈モスバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・国産
●パティ(牛肉):オーストラリア・ニュージーランド
●生野菜(トマト・オニオン):国産
●ミートソース:オニオン(国産・ニュージーランド・アメリカ・その他)、トマト及びその加工品(オーストラリア・トルコ・その他)、牛肉(オーストラリア・その他)、豚肉(チリ、その他)
〈チーズバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・国産
●パティ(牛肉):オーストラリア・ニュージーランド
●オニオン:国産
●チーズ:ニュージーランド・オーストラリア
〈ソイモスバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・国産
●ソイパティ(大豆):アメリカ・中国
●生野菜(トマト・オニオン):国産
●ミートソース:オニオン(国産・ニュージーランド・アメリカ・その他)、トマト及びその加工品(オーストラリア・トルコ・その他)、牛肉(オーストラリア・その他)、豚肉(チリ、その他)
〈とびきりハンバーグサンド(とびきり和風ソース)〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・国産
●あいびきハンバーグ(牛肉・豚肉):国産
●オニオン:国産
〈フレンチフライポテト〉
●じゃがいも:カナダ・アメリカ
(以下省略)
(2020年2月7日現在)
https://www.mos.jp/menu/pdf/native.pdf
■ドムドムハンバーガー ☆☆☆
野菜類がほぼ国産。それに加えて「ロースバーガー」の豚ロース肉が国産であるところを評価。「甘辛チキンバーガー」のチキンが中国産なのがマイナス点。他と違うのは最終加工地が明記されていないところ。表示は「商品名」「主な食材名」「対象原材料名」「原産地」という項目に分けて書かれているが、ここでは主な商品の「対象原材料名」「原産地」のみ転載する。
〈ハンバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・オーストラリア
●パティ(牛肉):オーストラリア
〈チーズバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・オーストラリア
●パティ(牛肉):オーストラリア
●ナチュラルチーズ:オセアニア・欧州・国産
〈甘辛チキンバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・オーストラリア
●鶏肉:中国
●キャベツ:国産
〈ロースカツバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・オーストラリア
●ロース(豚肉):国産
●キャベツ:国産
〈ポテトフライ〉
●じゃがいも:アメリカ
(以下省略)
(2020年2月7日現在)
■ウェンディーズ・ファーストキッチン ☆☆☆
ウェンディーズとファーストキッチンは共同で原産地情報がまとめられている。野菜はほとんど国産。「原材料」「主な原材料原産国」「主な原材料食材」「最終加工国」「使用されている主要メニュー」と他と違うユニークな表記方法である。ここでは「原材料」「主な原材料原産国の一部のみ転載する。
●牛肉:オーストラリア
●鶏肉:タイ・ブラジル
●豚肉:ベーコン/デンマーク、ロースハム・燻しベーコン/欧州・アメリカ・カナダ・日本
●小麦:アメリカ・カナダ・ベルギー・日本・オーストラリア
●チーズ:オーストラリア・日本・イタリア・アメリカ・日本(北海道)
●じゃがいも:アメリカ
●レタス・キャベツ:日本
●トマト:日本・ニュージーランド・アメリカ・メキシコ
●オニオン:日本(北海道)・アメリカ・メキシコ
(以下省略)
(2020年2月7日現在)
https://wendys-firstkitchen.co.jp/calorie/pdf/origin-collabo.pdf?1555811830
■マクドナルド ☆☆☆
ここは他社のような一覧表ではなく、商品をクリックすると「主要原料の原産地」「最終加工地」が表示される。国産比率は少ないようだ。ここでは主な商品の「主要原料」「原産地」のみ転載する。
〈ハンバーガー〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・オーストラリア
●ビーフパティ(牛肉):オーストラリア・ニュージーランド
●オニオン:アメリカ・インド
●ピクルス(きゅうり):インド・スリランカ・トルコ
〈ビッグマック〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・オーストラリア
●ビーフパティ(牛肉):オーストラリア・ニュージーランド
●オニオン:アメリカ・インド
●ピクルス(きゅうり):インド・スリランカ・トルコ
●レタス:日本・台湾・アメリカ
●スライスチーズ:ニュージーランド・オーストラリア・日本・アメリカ
〈フィレオフィッシュ〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・オーストラリア
●フィッシュポーション(スケソウダラ):アメリカ(ベーリング海)
●スライスチーズ:ニュージーランド・オーストラリア・日本・アメリカ
〈てりやきチキンフィレオ〉
●バンズ(小麦粉):アメリカ・カナダ・オーストラリア
●チキンパティ(鶏肉):タイ
●レタス:日本・台湾・アメリカ
〈マックフライポテト〉
●じゃがいも:アメリカ
(以下省略)
(2020年2月7日現在)
http://www.mcdonalds.co.jp/menu/burger/
■サブウェイ ☆☆☆
こちらはハンバーガーチェーンではなくサンドイッチチェーン。最初に「パン」「野菜」「トッピング」「ドレッシング」に分けて「最終加工地」「主原料」「主原料原産地」が書かれており、続けて商品ごとに同様の内容が記されている。野菜については「産地は季節により変動」と書かれており、全体的に輸入食材がほとんどを占める。ここでは主な商品の「主原料」「主原料原産地」を転載する。
〈チリチキン〉
●パン/ホワイト(小麦粉):アメリカ・カナダ・日本
●チリチキン(鶏肉):タイ
〈ローストビーフ〉
●パン/ウィート(小麦粉):アメリカ・カナダ・日本
●ローストビーフ:オーストラリア・他
〈えびアボカド〉
●パン/セサミ(小麦粉):アメリカ・カナダ・日本
●えび:ベトナム
●アボカド:メキシコ
〈生ハム&マスカルポーネ〉
●パン/ハニーオーツ(小麦粉):アメリカ・カナダ・日本
●生ハム:イタリア・他
●マスカルポーネチーズ(生乳):日本
●バジルソース(バジル):フランス・スペイン他
〈コロコロポテトオリジナル〉
●じゃがいも:中国
(以下省略)
(2020年2月7日現在)
※各社の原産地表示の一覧には注記が付されており、詳しくは添付アドレスでご確認ください。
※調査は2020年2月7日現在のものであり、正確な情報は最新のものをご確認ください。
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