居酒屋の原産地表示を調べてみた

投稿者: | 2月 28, 2020

わが国の食料自給率は生産額ベースで66%、カロリーベースで37%(平成30年度)となっています。つまり、私たちが食べる食品の多くを外国からの輸入食材に頼っているわけです。ところが、スーパーなどの生鮮食品には外国産の表示が少なく、その多くが加工食品や外食産業で使われていると考えられます。つまり、私たちが食品を選ぶ際に、加工食品や外食メニューの材料における原産地表示が重要となってくるわけです。そこで、加工食品や外食産業のウエブサイトにおける原産地表示をジャンル別に調べ、表示の有り無し、その詳細さ、見やすさ、国産食材比率などをポイントに分析し、個人的に評価をしてみました。

評価は

☆:何らかの原産地表示があるもの

☆☆:原産地表示が一覧でまとめられているもの

☆☆☆:原産地表示が一覧でまとめられており、より詳細で見やすいもの

☆☆☆☆:☆☆☆に加えて国産食材を中心にしているもの

☆☆☆☆☆:ほぼすべてが国産食材であるもの

としています。

■総評

ここまで、いくつかのジャンルの原産地表示を調べてきて、どちらかといえば業界横並びの傾向があるように感じていたのだが、居酒屋業界は差がかなり激しかった。圧倒的に良かったのが「鳥貴族」。ウエブサイト上での原産地表示の見つけやすさも申し分なく、ほぼすべての原産地に「日本」が並んでいるのも壮観だった。「塚田農場」は、店名に付いた地区の農場からの食材を中心にしているようだが、それぞれのメニューに原産地表示はなく、評価が難しかった。

■鳥貴族 ☆☆☆☆☆

「原産地表示」シリーズ始まって以来の☆5つ。焼き鳥中心のメニューということもあるかもしれないが、食材のほぼすべてが国産。メニューごとに原産地の詳細が表示されているが、ここではざっくりとまとめ、国産以外の食材について詳述した。この原産地表示を見ただけで、一度行ってみたくなる。

すべての鶏肉(豚肉も):日本

すべての野菜(タレに使用の野菜含む):日本

ナチュラルチーズ:オーストラリア他

クリームチーズ:ニュージーランド他

チェダーチーズ:アイルランド他

カマンベールチーズ:デンマーク他

本わさび・西洋わさび:ベトナム・中国他

ピーナッツ:南アフリカ

小麦粉:カナダ・アメリカ

カシス:デンマーク

(期間限定メニュー除く 2019年10月1日現在)

https://www.torikizoku.co.jp/anshin/shouhin






■八剣伝 ☆☆☆

トップページからアレルギー情報をクリックすると、メニューごとのアレルゲンが表示され、さらに右端の「詳細」をクリックすると、食材の原産地が表示される。国産食材の使用比率か高いようだが、ここではその一部を転載する。

炙り鶏チャーシュー:鶏肉/国産、もやし/国産

えだまめ:えだまめ/タイ

希少部位 鶏ハラミ 塩:鶏肉/国産

牛タン:牛肉(タン)/アメリカ

こころ(ハツ) 塩:鶏心臓/国産

純和赤鶏(サムライ)もも焼 岩塩:鶏肉/岩手県・鹿児島県、たまねぎ/国産

八剣伝 自慢のつくね 串(タレ):鶏肉/国産

豚バラ:豚肉/メキシコ・デンマーク

炙り焼いか:いか/ペルー

炙りしめさば:さば/三陸沖

さくさくポテトフライ プレーン:じゃがいも/アメリカ

(2020年2月28日現在)

https://www.marche.co.jp/special_contents/allergen/hakkenden.html



■塚田農場 ☆☆☆

この居酒屋チェーンは、「宮崎県日南市塚田農場」とか、「北海道シントク町塚田農場」のように、その地の指定農家から仕入れる食材を売りにしているようだ。メニューの原産地に関しては、「期間限定おすすめメニュー」に、原産地を冠した料理名がついている。

〈期間限定おすすめメニュー〉

北海道厚岸産 マルえもん(生牡蠣/焼牡蠣)

北海道産 水ダコのカルパッチョ

岡山産の真牡蠣を特製イカわたソースで 牡蠣ごろホイル焼き

和牛100%の挽肉に濃厚卵黄がとろ〜り 半熟塚だまメンチカツ

(2020年2月28日現在)

https://www.tsukadanojo.jp/rm/



■つぼ八 ☆☆☆

ウエブサイト上のフードメニューから原産地表示一覧表のページに飛ぶことができる。「北海道グランドメニュー」と「本州グランドメニュー」で大別され、メニューごとに主要な食材の原産地が表示されている。ここでは「本州グランドメニュー」の一部について転載する。

『北海道芽室産北海コガネ使用』ポテトフライ(じゃが芋):国産(北海道芽室)

『北海道中札内産』枝豆(枝豆(大豆)):国産(北海道中札内)

軟骨唐揚げ(鶏ヒザ軟骨):タイ・その他

マグロブツ(メバチマグロ):太平洋・大西洋・インド洋

いか刺身(するめいか):国産

『つぼ八北海道キッチン直送』若鶏半身揚げ(鶏肉):国産

ジャンボやきとり(鶏もも肉):タイ

子持ししゃも(カラフトシシャモ):アイスランド・ノルウェー

『北海道名物』ジンギスカン(羊肉):オーストラリア

たっぷり!あさりの酒蒸し(あさり):中国

ライス(コメ):国産

(2020年2月28現在)

https://www.tsubohachi.co.jp/menu/upload-docs/20191011113519.pdf



■庄や ☆

企業情報サイトに「食の安全・安心への取り組み」の詳しい説明はあるが、食材ごとの原産地表示はない。「庄や・原産地」で検索すると、魚・農産品・畜産品の原産地情報に行き当たるが、すべてのメニューにそれらの食材が使われているかどうかは分からない。

地魚:佐渡島・気仙沼・小名浜・銚子・御前崎・長崎対馬海

遠洋:インド鮪:ポートリンカーン産「活〆チルド空輸」流通にて、ロブスター:キューバ産「活〆急速凍結処理」にて、たらばがに:オホーツク産「活〆急速凍結処理」にて

農産品:千葉県山武郡の有機部会や長野県川上村有機部会他、全国の生産グループと直接提携

畜産品:輸入牛肉/オーストラリア産・ニュージーランド産の当社指定牧場との直接契約、

国産牛肉/銘柄・産地指定、信州桜井和牛との農場指定契約、鶏肉/鹿児島桜島どり、新潟・岩手・福島・群馬各県の農場指定契約、豚肉/USAシーボード社及び国産「やまと豚」など国内農場と指定契約

(2020年2月28日現在)

http://www.daisyo.co.jp/company/safety/index.html

http://www.daisyo.co.jp/origin/



■魚民 ☆

企業情報サイトに「安全への取り組み」の表示があり、その中に「国産の消費拡大に向けた国民運動 FOOD ACTION NIPPON」へ推進パートナーとして参加、食材を調達する有機生産者名などが書かれているが、食材の原産地表示に関する一覧はない。



米:国産

(2020年2月28日現在)

https://www.monteroza.co.jp/company/anzen/



■養老乃瀧

ウエブサイト上に食材の原産地に関する表示は見つけられませんでした。

(2020年2月28日現在)

https://www.yoronotaki.co.jp/store/yoronotaki/index.html



■土間土間

ウエブサイト上に食材の原産地に関する表示は見つけられませんでした。

(2020年2月28日現在)

https://www.doma-doma.com/season/index.html



■金の蔵

ウエブサイト上に食材の原産地に関する表示は見つけられませんでした。

(2020年2月28日現在)

https://www.sankofoods.com/shop/kinjr/#



■備長扇屋

ウエブサイト上に食材の原産地に関する表示は見つけられませんでした。

(2020年2月28日現在)

http://www.via-hd.co.jp/brand/ohgiya/



※各社の原産地表示には注記が付されており、詳しくは添付アドレスでご確認ください。

※調査は2020年2月28日現在のものであり、正確な情報は最新のものをご確認ください。



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