先ほどスウェーデン在住の日本人が運営している
YouTube番組を見ていて、
少し気になったことがある。
https://www.youtube.com/watch?v=lrdqBG1qwas
「日本がすばらしい12のポイント」
というのをやっていたのだが、
まあ、定番の「安全・親切・清潔さ」
というのは良いにしても、
「サービスの良さ」「品ぞろえの豊富さ」「物価の安さ」
というのが日本国として本当に良いことなのか、
疑問に感じたのである。
「サービスの良さ」というのは
もちろん良いことなのだが、
ここでは、これほどの行き届いたサービスが
無料で提供されることに重点が置かれていたし、
「品ぞろえの豊富さ」にしても、
多品種・低価格という点が
強調されていたのである。
モノやサービスの値段が安いというのは
本当に良いことなのだろうか?
私たちは普段、
物価に関しては「消費者」目線で考えてしまうのだが、
私たちは「消費者」であると同時に
「生産者」なのである。
スウェーデンでランチを食べると、
一般的には1,500円くらいかかるらしいのだが、
日本では現在800円~1,000円くらいだろうか。
給料の低い若い世代や、
子供にお金のかかるお父さん世代では、
ランチを節約して500円、さらには300円という人も
いるのではないだろうか?
ランチの1,500円と800円を比較すると、
その国の外食産業の売り上げは、
一人当たり約半分ということになる。
ランチを半額で提供するには、
食材を生産する農業・畜産・漁業に携わる人の
収入も約半額にならざるを得ない。
番組では「100円ショップ」も
すごいことの一つに挙げられていたが、
「100円ショップ」ができる前は、
ほとんどのものは300円~500円くらいで
売られていたはずだ。
それは日本の生産者の売り上げが
3分の1~5分の1になったということ以上に、
生産が日本からチャイナに移転したと
いうことを意味している。
昔は5,000円から10,000円くらいで
売っていたチノパンが、
ユニクロができてから2,000円くらいで
買えるようになった。
こうして私たちは
モノを安く買えるようになったのだが、
それと同時に私たちの給料は
下がり続けてきたのである。
これが失われた30年、
日本貧困化の正体である。
日本はGDPが米国・チャイナに次いで
第3位ということで、
まだまだ豊かな国と思っている人も多いが、
国民一人当たりのGDPでは世界23位、
数年後には27位の韓国にも
抜かれるのではないかと言われている。
日本をこんな国にしたのは、偏に政治の責任だが、
それを私たちの目に見えるカタチにしたのが、
日本の物価の安さなのだ。
日本に観光客が押し寄せるのも、
日本が魅力ある国だということ以上に、
実は安く旅行できる国
だからなのである。
物価が安い=給料が安い
ということについても、
私たちはよく知らなくてはならないと
思うのである。
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